ヴィンテージフレームにご興味がある方はご存じのガラスレンズ。
ガラスレンズは綺麗に拭きあげると、レンズが入っていないような錯覚に陥ります。またカラーをいれても透明度の高さゆえプラスチックにはない色の入り方をします。眼鏡がキリっと引き締まる雰囲気を纏う、そんなガラスレンズに私自身も魅了されております。
第二次世界大戦を境にプラスチックレンズはプラスチックの技術が進歩し、軽量で丈夫であり、ガラスレンズよりも安価に製造できることから眼鏡の製造に広く採用されるようになりました。90年代にはメガネレンズのおよそ8割がプラスチックレンズとなり、ガラスレンズを製造する工場も減少していきます。
ヴィンテージのレイバンやアメリカンオプティカル、それ以前の50年代のフレームなどにガラスレンズが装着されていたのをご存じの方もいらっしゃると思います。
ガラスの製造は1.融解2.レンズ形状の成形3.研磨と仕上げ4.レンズコーティングといった工程で行われます。カラーの染色は1.融解のときにガラス材料と顔料を適切な割合で混合し、高温で溶かすことで顔料がガラス中に均一に分散され色付けされます。(練りこみ式)
現在のガラスレンズは製作工程こそ変わりはないのですが、染色の際は無色のガラスレンズを製作後、レンズ表面に色をのせる(塗る)簡易的な製法と違いがあります。
この違いは大きく、本来の製法はガラス自体に色がついているため退色しないのですが、現在のものは時間とともに薄まっていく恐れがあります。
そこで当店ではヴィンテージに装着されていたレンズ同様に昔ながらの製法「練りこみ式」でガラスレンズを製作いたしました。
ヴィンテージフレーム=フラットレンズの印象が強いですが、レンズカーブは2カーブを採用。
ヴィンテージのガラスレンズにもある2カーブレンズ、流通しているヴィンテージのフレームカーブから考えるとフラットより2カーブレンズがピタっとはまります。
カーブによる利点もありフラットレンズはレンズカーブがないためレンズの端に歪み(色むらのように見える)が生じる場合がありますが、2カーブレンズは適度なカーブにより歪みを逃がすため生じません 。 といってもガラスは固いのでそもそも歪みが起きずらいのですが…
またガラスという性質上「割れる」恐れがつきまといますが、レンズ表面を強化皮膜で覆うことで強度を上げておりますので簡単には割れないものとなっております。
レンズカラーは現在、全9色からお選びいただけます。
カラー欠品すると製造に半年ほどかかりますので夏まえとかはお早めにご相談ください。また現在は度付きは対応しておりませんのでご了承ください。
ちょっとマニアックな内容ではありますが、刺さる方には刺さるはず。
ヴィンテージライクな方お待ちしております。
40’sFrame France + Lens Gray
50’s Frame France “Parisian”
顔幅に合っていないサイズ或いは適正なフィッティングを行わないために起こることが多いブリッジ折れ。
ブリッジに厚みをもたせて修理。
修理依頼のほとんどが他店購入品やネットでの購入品です。ヴィンテージフレームのフィッティングは乾燥具合の見極めも要しますので難しく扱えない眼鏡屋や売りっぱなしの店舗が多いです。特にネットなどでご購入する際はプラスチックが乾燥している場合があるのでお気お付けください。またお近くにヴィンテージフレームのフィッティングを行える店舗があるか確認した方がいいですよ。
仙台近郊の方は当店にご相談ください(笑)